
●作:ジャン・ヌアイ●翻訳:岩切正一郎
●演出:蜷川幸雄
●出演:松たか子/橋本さとし/山崎一
磯部勉/小島聖/月影瞳二瓶鮫一/塾一久
久富惟晴/稲葉良子/阪上和子/横田栄司
妹尾正文/飯田邦博/堀文明/山本真嗣/品川徹/壤晴彦/益岡徹 他
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【STORY】・・・・・シアター・コクーンHPより
百年戦争と呼ばれた長い戦争終結の糸口をつくり、祖国を救った19歳の少女が裁判にかけられている。何の専門知識も経験もないまま17歳で軍隊の先頭に立ってイギリスと戦い、連戦連勝を収めた戦歴、13歳の頃から何度も聞いた「フランスを救え」という神の啓示、それに伴って彼女が起こした奇跡。それらすべてが、イギリスとフランス、政治と宗教、大人達の虚栄心と欲望によってかき消されようとしていた。法廷で自らの半生を演じさせられている男装の少女の名は、ジャンヌ・ダルク。
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まず、最初に衣装がまともで、ホッとした。(笑)オレステス、コリオレイナスと観てきて、あまりにも衣装がゴテゴテで、何で、あんなに過剰なまでに、鎖や板金(笑)を体や手足にぶら下げる必要があるんだろうか?と不思議に思っていたもので。(笑)
今回の舞台は松さんがジャンヌ・ダルクの役をやるということで、もっと劇的に話が展開していく史実劇かと思いきや、そうではなかった。
ルーアンで捕われの身となったジャンヌがかけられた異端者審問裁判で
のやり取りを舞台化されたものだ。故に、
一般人がジャンヌ・ダルクに対して普通にイメージするような、カリスマ的な光の部分はなく一人間としての内面的なものを抉るような作品だったので、演じる側の人間にしてにればかなり集中力が必要とされる演目だったと思う。
一回舞台に立ったら5歳は老け込みそうな作品。(笑)
大変な役だよ…これは。(笑)
ほとんど松さんの一人芝居みたいなもんです。
自分は公演日の最後のほうに観に行ったのだが、あれだけ膨大な量の台詞を毎日消化しているにもかかわらず、声がまったく枯れていないのが凄かった。普段、相当に声を鍛えているんだろうなと思いました。
松さんも先月観た宮沢りえさんと同様、無垢な真直ぐさを持っている女優さんで舞台上での立姿は、やはり花がありました。
多分この舞台、松さんがいなかったら爆睡してたと思う。(笑)
しかし、まぁ、舞台上で裁判のやり取りを観ていると、大人という生き物はなんて七面倒臭い生物なんだろうなと思った。(自分も大人だけど・笑)
裁判でウンチクを並べる司祭に対し切れ気味になったジャンヌが発する台詞で、
「黒いものを白とはいえない」という台詞があったんけど、そのとおりで、
大人という生き物は人生経験を重ねていく過程で、かつては無垢でだった何かに対して、時にはブルーを塗ったり、時には赤を塗ったり、緑を塗ったり、紫を塗ったり・・・・・・・
塗って、塗って、塗りまくっているうちに、気がついたら真っ黒になっている様な気がする。(笑)
肩書きだらけで、ゴテゴテ化した人間からしてみれば、世の中には
実に無垢な動機で動く人間も存在するのだと、そういう事実も認めたくない事だったんだろうね。
その行き違いのやりとりを観ていたらなんだか悲しくなってきたよ。
「大天使さまのお告げを聞いたから戦いに望んだ」これほど解りやすい動機がどこに有るというのか。(笑)
単純なものを複雑にしてしまっているのも大人だよね。
今回の舞台は、ゴールド・シアターの皆さんも傍聴人の役で何人か出演されてましたね。3時間半、出ずっぱりで、ずーっと座ってなきゃいけないから大変だっただろな。
しかし、このゴールド・シアターの皆さん確実に人生が劇変しましたよね。(笑)
本当だったら、孫の面倒を見ながら、隠居生活に入る年齢なのに
ある日突然「蜷川」の舞台に立っていたりする(笑)
本当に人生何が起こるか解らない。
去年だか蜷川さんが高齢者だけの劇団を立ち上げて、その役者募集に
2千人近い人が応募してきたと聞いたときものすごく爽快な
気持ちになったのを思いだす。
だって、「世界の蜷川・笑」の劇団ですよー。(笑)
そこらへんの市民レベルの劇団とは厳しさが違うし、絶対毎日クソミソだめ出しくらうだろうし、そんな厳しい世界に下は50代から上は80代の人間が飛び込んでくるなんて、そんな気骨のある高齢者がこの日本国に2千人近くもいたんだと思ったらなんか妙に痛快な気分になったのを思い出しました。
去年の夏に中間発表を観にいった時は、ド度素人丸出しだったけど、
今回の立ち姿を見ていると、堂々たるものだ(笑)

ゴールド・シアターは6月に本公演を控えているとの事なので、そっちも楽しみですね。
あと、忘れちゃならないのが、
戴冠式でのラストの舞台構図!一枚の絵画を見ているようで鳥肌が立つくらいかっこよかったなー。